お久しぶりです。
超音波検査士・けんしん領域で提出する『撮影技術と解剖』で
ポイントがいまいちつかめないという疑問を耳にします。
確かに、腹部超音波検診判定マニュアル改訂版では推奨記録画像を提示してくださっているものの
詳細は記載されていないですし
超音波検査士試験時に提出するレポートは、どう審査されているか?
不安になるんだろうなと思います。
今回は、私が撮影技術と解剖の肝臓・胆嚢・胆管レポートを作成した際
どこに重きを置いたかを書かせていただきます。
参考資料・サイト
- 腹部超音波検診判定マニュアル改訂版(2021年)
- 全国労働衛生団体連合会(全衛連)腹部超音波検査精度管理調査研修会
- 日本超音波医学会(日超医)学術集会・地方会
- GEヘルスケア Dr.小川の腹部エコーのWaza-ali!!
こちらを参考にして作成しました。
肝臓の撮影技術と解剖
- 左葉外側区域の描出
- 尾状葉の描出
- 肝静脈・門脈の描出
- ドームS8の描出
これらの画像は必須だと思います。
それぞれ説明させていただきます。
左葉外側区域の描出
心窩部縦・横、左肋骨弓下走査のいずれかで記録します。
私は心窩部縦・横で提出しました。辺縁をしっかりと描出することを意識しました。
門脈臍部から更に左葉外側&門脈抹消部を描出してしっかりS2・S3を記録します。
(本当はもっとS2厚みのある画像を記録した方が良いです。見直すと少し描出しきれてないかな感)
尾状葉の描出
心窩部縦・横走査両方で記録しました。
『私、尾状葉を意識して撮りました!』をアピールするために、画面中央に描出しました。
肝静脈の描出
右肋骨弓下斜走査・心窩部横走査で右・中・左肝静脈を記録しました。
肝静脈を抹消まできれいに描出するのがポイントと全衛連研修会で仰っていた記憶があります。
くっきりと・末梢までブレがないように記録するようにします。
門脈の描出
心窩部横走査・横走査~斜走査で記録しました。
ポイントは肝静脈作成時と同様です。
門脈左枝臍部(umbilical portion:UP)をしっかり描出したり
肝静脈同様、末梢までスーッときれいに出すことを意識しました。
しつこいですが明瞭にクッキリと、ブレがないように呼吸を合わせて記録しましょう。
ドーム下(S8)の描出
右肋骨弓下・右肋間走査両方で記録しました。
門脈を目じるしに描出・撮影します。
右肋骨弓下では『えぐる』ようにプローブを走査します。
胆嚢・胆管の撮影技術と解剖
- 頸部・底部の描出
- 肝外胆管の描出
- 膵内胆管の描出
頸部・底部の描出
画像1枚で底部・頸部が描出できる場合もありますが
ここでもやはり『底部を見ました!』『頸部を狙って出しました!』を表現したいので
2枚に分けて記録しました。
日超医の企画でも、
頸部の描出→右肋間・右肋間弓下のいずれかで描出
底部の描出→右肋間・肋骨弓下・縦走査で描出(注:多重反射の影響を最小限にする)
と分けて説明されていたのも理由です。
底部がガスで描出困難な時は体位変換をしましょう。
肝外胆管の描出
右肋骨弓下走査~斜走査で記録しました。
膵内胆管の描出
右肋骨弓下縦~斜走査で記録しました。
肝外胆管と膵内胆管に関しては『一部でも描出されていればOK』らしいですが、せっかく提出するレポートなのできれいに末梢まで出して記録しましょう!
肝外胆管と膵内胆管は別々に記録した方が良いように思います。
(少し前の話ですが、全衛連の研修会で1枚で提出された画像は描出不良として判断するとおっしゃっていました)
次回は膵臓・腎臓・脾臓・腹部大動脈について書かせていただきます。