お疲れ様です。
前回の記事で基礎について調べて以来、改めて勉強し直したいという気持ちが沸き上がってきました。
今回は【フレームレート】について書かせていただきます。臨床でも画質調整として覚えるべき知識なので、一緒に考えを整理しましょう!
(何回もブログで書かせてもらっていますが、初めて超音波基礎を勉強する方はキャノンメディカルシステムズさんのHPで公開されている【Dr.SONOの公開講座『超音波の基礎』】が本当におススメです。)
フレームレートとは?
超音波画像におけるフレームレートの定義
フレームレート(frame rate)とは、1秒間に描かれる画像の枚数を指します。単位は fps(frames per second)ですが、Hz(ヘルツ)が使われる場合もあります。

自前の肝臓画像。27FPSです。
数値が大きいほど、動きがなめらかに見えます。
パラパラ漫画に例えるとわかりやすい!
フレームレートは「パラパラ漫画」と同じです。
コマ数(fps)が多ければ動きが滑らかになり、少なければカクカクして見えます。
心臓のように動きを評価する臓器では、特にフレームレートの影響が大きくなります。
フレームレートを決定する要素
音速と走査線数
「1フレームに必要な走査線数」と「音速」で決まります。
走査線数を増やす → 1枚を描くのに時間がかかる → フレームレート低下
深度と表示範囲(セクタ角度)
深度を深くする → 音が往復する距離が長い → 時間がかかる → フレームレート低下
セクタ角度を広げる → 走査線が増える → フレームレート低下
カラードプラ(CWM)との関係
同じ送受信数の場合、視野角とフレームレートは反比例関係になります。
カラードプラをのせてみると、

画像のクオリティは気にしないで。
視野角うんぬん関係なく27→11FPSに下がりました。
次に、視野角と反比例になるということでROIを横長に設定(=視野角を広げる)と
11→6FPSに低下。最近のエコー機は本当に性能が良いですが、フレームレートが1桁はやはり動きがなめらかではない印象です。
では視野角を狭くして深度を深くしたROIならどうなるでしょう。ということで思いっきりROIを縦長に設定してみます。
先ほどの6→10FPSと上がりました。
フレームレートが低下するとどうなる?
動きのある臓器(心臓など)での影響
フレームレートが低いと、弁の動きや血流の変化を正確に捉えにくくなります。
見逃しや診断精度への影響
速い動きがカクカク表示されるため、病変や血流異常を見逃すリスクがあります。
試験対策におけるフレームレートの要点
- 深度を深くするとフレームレートは? → 低下
- セクタ角度を広げるとフレームレートは? → 低下
- 走査線数を増やすとフレームレートは? → 低下
『情報量の多い画像に設定していると低下する』と覚えれば簡単だと思います。
なのでその考えの延長で、
- 送信多段フォーカスで段数を増やすとフレームレートは?→低下
になります。ですが今は多段フォーカスよりもオートフォーカスが主流ですからね…出題されるかどうかは疑問です。
計算問題で出題される可能性もあるので、定義式も確認しておきましょうね!
オートフォーカスはフレームレート変わる?
多段フォーカスで低下するならオートフォーカスではどうなんだろう?と疑問に思い確認しました。富士フィルムのARIETTAで確認してみましたがこちらなんと(と思っているのは私だけか?)変わりませんでした。
機器の進化に改めて感動。
(※他メーカーさんはオートフォーカスの原理が異なるかもしれませんので、ひょっとするとフレームレートは低下するかもしれません)

eFocusing設定の画像です。
まとめ:フレームレートは「速さと見やすさのバランス」
フレームレートに関係するのは、
- パルス繰り返し周波数
- 視野深度
- 走査線数・走査線密度
- 送信多段フォーカス
です。受信ダイナミックフォーカス・周波数には依存しません。
フレームレートは、試験でも臨床でも必ず問われるテーマです。しっかり理解しておきましょう!