お疲れ様です。
気付けば9月も後半ですね。早い…
先週末はJABTS学術集会に参加しました。
場所は御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンター
コンパクトな会場なので移動しやすいですね。
学術集会の概要について
今回のポスター、どうして音楽なんだろう?会長の久保田先生は音楽にも精通されてらっしゃるのかしら?なんて思っていましたが、今回のテーマは【奏~アートとサイエンスの調和と共鳴~】で、超音波診断や医療を「楽曲」、私たち医療従事者を「演奏家」に見立て、学術集会を皆で奏でる場になるようにという思いを込めていらっしゃるそうです。
深いです…!そしておしゃれ…!!
超音波検査は、患者さんの体の中を画像化するアート(技術や知恵)と、それを科学的に解釈するサイエンス(知識)の両方を必要とします。今回の学術集会は、まさにこの二つの要素をバランス良く学び、深めるための貴重な機会でした。
初心者向けの教育プログラムについて
ハンズオンセミナー(乳腺・甲状腺・頭頸部)が開催されていました。
名高い先生が講師をされていて、初心者ではなくても申し込みたい企画ですよね。
(実際すぐに定員に達していたようです)
更に「乳がん検診における比較読影」や「リンパ節診断(超音波像と病理)」など、超音波画像の読み方や病理との関連を深く学べるセッションも組まれていました。これらのセッションは、日々の検査業務に直結する内容で、初学者の方がより正確な診断力を身につける手助けとなりますよね。
書いているうちに初学者とは…?と思ってきました。私はまだまだ初学者のようです。
最新の研究と専門的なテーマについて
超音波検査の専門家や研究者向けには、さらに高度なテーマが多数!
「術前化学療法に関するTILs超音波画像診断」というセッションでは、がんの治療効果を予測するための新しい診断方法について議論されました。
TILsとは「Tumor Infiltrating Lymphocytes(腫瘍浸潤リンパ球)」の略で、がん細胞の周りに集まる免疫細胞のことです。このTILsを超音波画像から評価することで、化学療法の効果を予測する研究が進められているそうです。
また、「Super-resolution Ultrasound(SRUS)」という新しい超音波技術についても紹介されました。これは、従来の超音波では見えなかった小さな血管の流れを高解像度で観察できる技術で、乳腺や甲状腺の病変の診断に役立つことが期待されています 。
「腺腫様甲状腺腫(AG)」に関するセッションでは、日常診療でよく遭遇する良性疾患であるAGに潜む悪性腫瘍の見分け方や、長期的な経過観察の重要性について説明して下さいました。特に4cmを超える大きな結節や、気管を圧迫する可能性がある場合には、無症状であっても放置しないようにという注意喚起がなされていました。
超個人的感想
コンパクトとはいえ決して狭くはない会場に立ち見が出る程の盛り上がりでした。
乳がん取扱い規約変更に伴う乳房超音波診断への影響と対策
- E’について.今回は詳細に説明している
- T4について(潰瘍について等)こちらも詳細に説明
- 内胸リンパについて
- Paget病について
- 領域・区域という表現について
- 早期乳癌は具体的に stageいくつ?
- 今後エコーレポートに肉眼的所見も書くべき?
- 充実性腫瘤においてチャートをすり抜ける癌は3%位
Meet the Expert 乳腺
- 乳頭下の低エコー域はどう評価する?→血流・エラストグラフィを参考にする(無いから大丈夫とは言えない)
- 豹紋状乳腺だけで乳腺症ととる?→とらない。低エコー域でDCISか乳腺症の変化と鑑別にあげることはある。
US GCT研究会部
- GCTを判定する部位:C部位・NT2cmが目安
- 角は入れず平行な部位で.平行なところがなければ中間点で測定
- 腺葉の間の大きな脂肪がないところで測定
- 4段階に評価する(予定)
乳房超音波診断ガイドライン第4版増補版について
乳がん取扱い規約変更に伴い、こちらについても説明がありました。来年の春季大会には公表される予定だとか。
慣れ親しんでいた充実型・乳管形成型・硬性型が使えなくなるのは寂しいですが、先生方曰く「超音波検査にやさしい改訂になった」との事。
その他
- ホジキンリンパ腫のエコー輝度は通常のリンパ腫よりやや高め
※聞き間違いがあるかもしれないので参考程度にお願いします
等々。乳がん取扱い規約変更に伴い、超音波検査の影響について話し合う企画が多い印象でした。
乳腺エコーに携わる・今後表在領域を受験するコメディカルにとってはしっかり理解しておきたいところですよね。後日まとめたものをアップさせていただく予定です。
最後までご覧いただきありがとうございました。
【免責事項】
本記事は、超音波検査士認定試験の学習・教育を目的として執筆しています。
医療上の診断・治療を代替するものではなく、記載内容の正確性や完全性を保証するものではありません。
実際の医療行為や健康状態に関する判断は、必ず医師や専門家にご相談ください。
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