甲状腺乳頭癌と髄様癌の高エコーに悩む

超音波検査士認定試験

週末 超音波専門医認定試験問題集の甲状腺を解いていたところ

画像問題で つまづいてしまった箇所がありました

形状はやや不整で 境界は一部不明瞭粗雑

内部エコーは低く 不均質で 境界部低エコー帯は認めません

そして 微細…高エコーが確認できたので これは甲状腺乳頭癌!と思ったのですが

髄様癌でした…

んん?確か髄様癌の高エコーは『ぼたん雪状』と言われる位だから

結構大きいと思っていたけど…と思い 解説を読んでみると

『乳頭癌に見られる微細な高エコーより大きく,髄様癌に特徴的なぼたん雪状高エコーである』

と記載されていて

乳頭癌の高エコーより大きいのか…

と思って 他の問題画像も見てみると

結構大きい とても微細高エコーとは思えない所見の結節が 乳頭癌でした

昔 何かの勉強会か学会で 髄様癌は色んなパターンがあると聞いたことがありますし

高エコーの大きさだけで 乳頭癌か髄様癌かを判断するのは難しそうですね

髄様癌の他の所見としては

①『ぼたん雪状』の高エコーが腫瘍の中心に存在している

②通常、ドプラ法で豊富な血流信号を認める

があるそうです

そういえば 今年横浜で開催された日超医学術集会の甲状腺ワークショップで

國井先生が 発表された先生に

「髄様癌の 白い高エコーは病理組織学的に何を見ているのか?」という質問をされていて

その際 病理診断学の先生が仰っていたのですが

・間質の石灰化を見ている

・間質にアミロイドを作る髄様癌と 作らないのがある

・作る症例は 腫瘍が3層に分かれている

・外側:腫瘍細胞が増殖しているのでアミロイドがほとんどない

 真ん中:少し古い病変なのでアミロイドが沢山沈着している

 中央:もっと古いのでアミロイドが変性・石灰化する

なのだそうです

なるほど…だから腫瘍中央に高エコーがあるのですね

すごく勉強になりました

因みに 微細高エコー輝点は乳頭癌 細胞の微小石灰化に起因しているそうです

エコーでなぜこう見えるのかという疑問を 解決してくれる病理はとても面白いですよね

甲状腺の問題で 乳頭癌か髄様癌か 確実に答えられる自信や知識はまだないですが

頑張って 読み取れるようになりたいですね

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