【推す理由も】第45回日本静脈学会総会 オンデマンド配信開始されています

勉強会・学会

今回は会場が旭川だったので現地開催は出来ず…

好きな学会のひとつなので残念無念ですが、オンデマンド配信で参加させていただきました。

視聴可能セッション一覧は学会HPで公開されています。

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オンデマンド視聴可能セッション一覧

今回は私が静脈学会を推す理由と、少し学会の感想を書かせていただきます。

私が静脈学会を推す理由

少し前までは静脈といえば静脈瘤に焦点が当てられてきた印象があります。一時期静脈瘤のクリニックが増えましたよね。

しかし近年、新たな背景因子がその対象範囲を根本から拡大させています。COVID-19、がんに伴うVTE(静脈血栓塞栓症)、そして地震や災害に起因するDVT(深部静脈血栓症)など、ソノグラファーとして知識を備えておくべき領域が増えています。

循環器学会でも『2025 年改訂版肺血栓塞栓症・深部静脈血栓症および肺高血圧症に関するガイドライン』を公式サイトで公開しました。

 なぜ今、静脈疾患への理解が不可欠なのか?

COVID-19との関係

重症COVID-19患者においては、血栓症リスクが高まることが知られており、静脈系疾患への関心が急速に高まりました。特に下肢エコーや肺血栓のスクリーニング能力は、重要なスキルです。

がんとVTE

がん患者におけるVTEの発症率は一般人口に比べ高いことは知られており,がん治療中における重大な合併症であるとともに,生存期間の悪化と関連しています。

震災・災害とDVT

災害時は血栓リスクが顕著に。緊急時にこそ、迅速なDVT検出力が求められます。

ソノグラファーが静脈学会で勉強する意義

静脈学会は上記のような新たな要因に対応すべく領域を拡大中です。COVID-19やがん関連VTE、災害に伴うDVTに対応するための最先端の診断・治療指針やエコー技術が学会を通じて広がりつつあるのです。

クリニック規模でも需要はあります

検査をオーダーされるのって総合病院だけかなあなんて思っていたのですが、いわゆる『町医者』でも需要があります。

ご年配の方が「最近足が腫れて…」という訴えとともに近くのかかりつけ医に来院されるというケースは少なくありません。そして実際、無症候ですがDVT陽性だったということもありました。

高齢化社会ですし、しばらくこの状態が続くだろうと思っています。

オンデマンドの感想

個人的にグッときた内容を少しだけ書かせていただきます。

静脈学会理事長である孟先生の静脈愛と猫愛

孟先生の優しいお人柄も垣間見えたり。猫画像多めな理事長講演は必見です。

COVID-19でDVTが増えた理由(推論)

ウイルス感染により全身で急性炎症が起こる(=血管内皮障害が起こる)→急性炎症ではグリコカリックスが急激に減ることがある→減少したことによって血栓性が高くなったという推論も出ているそうです。

※グリコカリックス(glycocalyx:GCX)とは…血管内皮細胞の表面を覆う構造物で、生理的役割は血栓形成の抑制や血管透過性調節など多岐にわたる。

能登半島地震から見える日本避難所の現状

『熊本地震時と避難所の環境がほとんど変わっていない」とおっしゃっていたのが衝撃的でした。イタリア避難所の運営・設営やアメリカのCDC避難所環境アセスメントも学ぶことが出来ますよ。

能登半島地震では、あたたかい食事が提供されていた避難所ではDVTがなかったそうです。覚えておこう…!

まとめ

静脈学会は縁の下の力持ち的な存在だと思っています。そしてソノグラファーの役割も大きいです。非会員でも参加費は会員と同額なので、ご興味のある方は是非!

おのこ

サイト運営者:おのこ

本サイトにお越しいただき、ありがとうございます。
私は関東在住の臨床検査技師です。
超音波検査で全身スキャン出来るようになりたい!という気持ちから
・超音波検査士(消化器・表在・循環器・泌尿器・けんしん)
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