今年は後輩のひとりが超音波検査士認定試験に受験予定です。
準備している資料を確認させてもらったのですが、甲状腺超音波所見の文章内に
『辺縁低エコー帯が確認される。(中略)以上から腺腫様甲状腺腫と考えられた。』
と書かれていました。
記録画像を見ると、一部は確認できるけど…
うーーーーーん、悩ましいですね…。
昨年のJABTS学術集会内の企画Meet the expertで挙げられた質問のひとつに、
『境界部低エコー帯は、どのくらいみえたら【あり】と判断しますか?』
というものがあったのですが、
エキスパートの先生方の答えられた内容をまとめると
『3分の1~半周以上みえたらありと判断することが多い(横は側方陰影で見えずらいが)』
『少しでもみえたら、というのはとりすぎ』
『腺腫様甲状腺腫では記載しない。濾胞性腫瘍の特徴を伝えたいときに書く。』
明確な基準はなく技師によって少し違うとも。
また、『あり・なしよりも、一部認める→腺腫様甲状腺腫、全周性に認める→被膜で濾胞性腫瘍とコメントを残す』
という先生もいらっしゃいました。
超音波検査所見は典型例ばかりではないので難しいですよね。
更に受験で提出する症例レポートとなると、慎重になってしまいます。
他にも色々な質問があり、
Q.結節全体が円形でも一部が浸潤等で飛び出ている場合は不整形と書いて良い?
A.不整形でOK
Q.峡部で結節が斜めに描出してしまう場合サイズはどのようにはかる?
A.横断像で水平に縦・横計測して縦断像で最長径をはかる(といいんじゃ?)
Q.充実部のあるのう胞と、のう胞形成型乳頭癌の鑑別は(特に高エコーを伴った結節の場合の鑑別方法)?
A.高エコーがゴツゴツした、大小不同のインパクトが強いものの場合は乳頭癌を考えるが
エコーで決める必要はない。難しい場合は細胞診を。
などなど、どれも興味深い内容です。個人的に、
Q.甲状腺由来か?副甲状腺由来か?はっきりしない微妙なのう胞は穿刺する?
A.穿刺する
という内容、超音波検査士試験の画像問題に出そうだなあと思いました。
この症例は次にどのような検査をすべきか?という問題ってありますよね。
学術集会や講習会などで学ぶ際、ただ知識を得るだけではなく
参加しながらいろいろな方向で考えるのも楽しいですよね。
そして、バセドウ氏病を疑う超音波所見の際に
上甲状腺動脈の血流速度を記録していない施設さんが多かったのは意外でした。
症例レポートに記載しなくてもいいのかしら…大丈夫なら、それに越したことはないのですが。
試験勉強時は大変ですが、いちばん実力が伸びる時期でもありますよね。
後輩には色々吸収してもらいたいなと思っています。
今後もいろんな場所で聞いた知識や情報を書かせてもらいますね。
今日もご覧いただきありがとうございました。
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