超音波検査士認定試験の基礎分野では、計算問題だけでなく、超音波の原理や装置の特性について正しく理解しておくことが大切です。
「公式は覚えているのに、文章問題になると迷ってしまう」
そんなことはありませんか?
例えば、
「超音波の周波数が高くなると、波長は長くなる」
この文章は正しいでしょうか?
答えは「×」です。
同じ媒質中では、周波数が高くなるほど波長は短くなります。
今回は、日本超音波医学会の『超音波検査士研修ガイドライン』に記載されている基礎分野を参考に、間違えやすい文章問題を15問作成しました。
1問ずつ正誤を判断してから、すぐ下の解答と解説を確認できる形式です。
試験直前の知識確認に、ぜひ活用してみてください。
※本記事は試験対策用に作成したオリジナル問題です。実際の認定試験問題や出題頻度を再現したものではありません。
1.音響の原理・生体の音響特性
問題1:音響インピーダンス
音響インピーダンスは、媒質の密度と音速の積で表される。
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/答え:○
音響特性インピーダンス(Z)は、媒質の密度(ρ)と音速(c)の積で求められます。
Z=ρc
異なる媒質の境界で生じる反射を理解するうえで重要な物理量です。
覚えるポイント:音響インピーダンス=密度×音速
問題2:反射
超音波が境界面に垂直に入射する場合、2つの媒質の音響インピーダンスが等しければ反射は生じない。
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/答え:○
垂直入射の場合、音響強度反射率(R)は次の式で表されます。
R={(Z₂-Z₁)/(Z₂+Z₁)}²
2つの媒質の音響インピーダンスが等しければ、反射率は0になります。
反対に、音響インピーダンスの差が大きいほど反射率は増加します。
※理想的な平面境界への垂直入射を考えた場合です。
覚えるポイント:インピーダンス差が大きいほど反射率は高い。
問題3:散乱・スペックル
スペックルパターンは、多数の微小散乱体から生じた散乱波の干渉によって形成される。
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/答え:○
組織内の微小散乱体から戻ってきた散乱波は、位相の違いによって互いに強め合ったり、弱め合ったりします。
この干渉によって、Bモード画像に細かな粒状模様が形成されます。
したがって、スペックルの個々の輝点が、一つの細胞や散乱体と一対一で対応するわけではありません。
覚えるポイント:スペックルは散乱波の干渉によって生じる。
問題4:減衰
超音波の減衰は吸収によってのみ生じ、散乱は減衰に関与しない。
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/答え:×
超音波の減衰には、吸収や散乱などが関係します。
吸収では音響エネルギーが主に熱へ変換されます。
一方、散乱では音波がさまざまな方向へ広がるため、元の伝播方向の音響強度が減少します。
また、ビームの広がりによる拡散減衰は、吸収や散乱とは区別して理解しましょう。
覚えるポイント:吸収減衰と散乱減衰は異なる現象。
問題5:周波数と波長
同じ媒質中では、超音波の周波数が高くなるほど波長は長くなる。
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/答え:×
波長(λ)は、音速(c)と周波数(f)から求められます。
λ=c/f
同じ媒質中で音速を一定とすると、周波数が高くなるほど波長は短くなります。
例えば、音速を1540 m/sとした場合、
- 5 MHz:約0.31 mm
- 10 MHz:約0.15 mm
となります。
覚えるポイント:周波数が2倍になると波長は1/2になる。
2.分解能・画像形成・アーチファクト
問題6:距離分解能
距離分解能を向上させるには、送信パルスの空間パルス長を短くすることが有効である。
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/答え:○
距離分解能とは、超音波の進行方向に並ぶ2つの反射体を区別する能力です。
空間パルス長が短いほど、近接する反射体を区別しやすくなります。
理想的な条件では、
距離分解能 ≒ 空間パルス長/2
で表されます。
覚えるポイント:距離分解能は空間パルス長に関係する。
問題7:方位分解能
方位分解能は超音波ビーム幅に関係し、ビーム幅が狭いほど向上する。
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/答え:○
方位分解能は、超音波ビームの進行方向に対して横方向に並ぶ2つの反射体を区別する能力です。
主に超音波ビーム幅に依存し、ビーム幅が狭いほど向上します。
距離分解能と混同しないようにしましょう。
覚えるポイント:距離分解能はパルス長、方位分解能はビーム幅。
問題8:近距離音場
円形の平面振動子では、周波数を高くすると近距離音場の長さは短くなる。
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/答え:×
円形の平面振動子における近距離音場の長さ(N)は、おおよそ次の式で表されます。
N=D²/4λ
Dは振動子の直径、λは波長です。
同じ媒質中では、周波数が高くなると波長が短くなるため、近距離音場は長くなります。
※理想的な円形平面振動子の近似式であり、電子フォーカスを使用する実際の超音波装置とは条件が異なります。
覚えるポイント:周波数が高いほど近距離音場は長くなる(同じ振動子径の場合)。
問題9:多重反射
多重反射による虚像は、反射面の間で超音波が繰り返し反射することで生じる。
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/答え:○
超音波が強い反射面の間で繰り返し反射すると、エコーが戻るまでの時間が長くなります。
装置は、エコーの帰還時間から反射体までの距離を計算するため、実際より深い位置に虚像が表示されることがあります。
覚えるポイント:多重反射では、実際より深い位置に虚像が現れる。
問題10:ハーモニックイメージング
組織ハーモニックイメージングでは、送信周波数と同じ基本波成分だけを用いて画像を形成する。
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/答え:×
組織ハーモニックイメージングでは、超音波の非線形伝播によって生じる高調波成分を利用します。
一般的には、送信周波数の2倍に相当する第2高調波成分を利用します。
したがって、基本波成分だけを用いるという説明は誤りです。
覚えるポイント:組織ハーモニックイメージングでは非線形伝播で生じる高調波を利用する。
3.ドプラ法・装置の調整・安全性
問題11:ドプラ効果
ドプラ偏移周波数は、血流速度が同じ場合、超音波の送信周波数に比例する。
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/答え:○
ドプラ偏移周波数(fd)は、次の式で表されます。
fd=2f₀v cosθ/c
- f₀:送信周波数
- v:血流速度
- θ:血流方向と超音波ビームのなす角(入射角)
- c:音速
血流速度、入射角、音速が一定の場合、ドプラ偏移周波数は送信周波数に比例します。
覚えるポイント:送信周波数が高いほどドプラ偏移周波数も大きくなる。
問題12:エイリアシング
パルスドプラ法では、ドプラ偏移周波数がナイキスト周波数を超えるとエイリアシングが生じる。
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/答え:○
一般的なパルスドプラ法では、ナイキスト周波数はPRF(パルス繰り返し周波数)の1/2です。
ナイキスト周波数=PRF/2
ドプラ偏移周波数が測定可能な範囲を超えると、エイリアシングが生じます。
軽減する方法として、PRFを高くする、送信周波数を低くする、連続波ドプラ法を利用するなどがあります。
覚えるポイント:エイリアシングはサンプリング周波数による制限で生じる。
問題13:連続波ドプラ法
連続波ドプラ法は、高速血流の計測に適しており、深さ方向の測定位置を限定できる。
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/答え:×
連続波ドプラ法は高速血流の計測に適していますが、測定する深さを限定することはできません。
一方、パルスドプラ法ではサンプルボリュームを設定し、測定する深さを選択できます。
覚えるポイント:CWは高速血流の計測、PWは測定深度の選択が可能。
問題14:フレームレート
Bモード画像の表示深度を深くすると、他の条件が同じ場合、最大フレームレートは低下する。
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/答え:○
表示深度を深くすると、深部からの反射波が戻るまでの時間が長くなります。
そのため、超音波パルスの送信間隔に制限が生じ、1秒間に取得できる画像枚数の上限が低下します。
フレームレートは表示深度のほか、走査線数や送信フォーカス段数などにも影響されます。
覚えるポイント:表示深度が深くなると、最大フレームレートは低下する。
問題15:TI・MI
TIは超音波照射による非熱的作用の指標、MIは熱的作用の指標である。
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/答え:×
TIとMIの説明が逆になっています。
- TI(Thermal Index):熱的作用の可能性を評価するための指標
- MI(Mechanical Index):主に非熱的な機械的作用の可能性を評価するための指標
なお、TIは実際の温度上昇を直接示す値ではありません。
また、MIも生体への影響や安全性を直接判定する値ではありません。
覚えるポイント:TI=熱的作用、MI=機械的作用。
試験直前に確認したいポイント
今回の15問から、特に混同しやすい内容を整理しました。
| 比較する項目 | 覚えるポイント |
|---|---|
| 反射と散乱 | 境界面での反射/微小構造による散乱 |
| 距離分解能と方位分解能 | パルス長/ビーム幅 |
| 周波数と波長 | 周波数が高いほど波長は短い |
| PWとCW | 測定深度の選択/高速血流計測 |
| TIとMI | 熱的作用/機械的作用 |
文章問題では、特に次のような表現に注意しましょう。
「高くなる」「低くなる」「長くなる」「短くなる」「のみ」「必ず」
これらの言葉によって、正誤が変わる場合があります。
まとめ
超音波検査士認定試験の基礎分野に向けて、間違えやすい文章問題を15問紹介しました。
基礎分野では、公式や用語を暗記するだけでなく、それぞれの現象がどのような条件で起こるのかを理解することが大切です。
試験直前は、新しい知識を増やすだけでなく、すでに勉強した内容を正確に判断できるようにすることも重要です。
今回の問題で迷った項目は、教科書やガイドラインに戻って確認してみてください。
参考資料
- 日本超音波医学会『超音波検査士研修ガイドライン 第3版改訂版』
- 日本超音波医学会『医用超音波用語集』
- 日本超音波医学会『医用超音波の基礎』
※本記事の問題はオリジナル問題であり、実際の認定試験における出題を保証するものではありません。

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