乳腺エコー症例 非腫瘤性病変のお話

超音波検査

少し前なのですが、自分にとって拾い上げるべきエコー所見の幅がぐんと上がった

きっかけとなった症例を書かせていただきます。

ある日、健診で乳腺超音波検査を行っていた際

気になるエコー像を見つけました。

乳腺超音波検査症例

明らかな腫瘤像は認めませんが

テクスチャーの異なる部分が突出しているように認めます。

…?と思いカラードプラをあててみると、

乳腺超音波検査症例

血流シグナルがある…

エラストグラフィグラフィは?と思いやってみると

歪みの低下もある…!

施行後すぐに医師に画像を確認してもらうと、

要精査となり他施設へ紹介し、病理組織の結果はDCISでした。

こちらの受診者様、問診には何も記載されていなかったのですが

エコー中さりげなく「お胸で何か気になる事はないですか?」と伺ったところ

『今ちょうど見てもらっているところが、たまにしこりとして感じることがある』と

仰ったんですよね。

色々聞きながら検査が出来る超音波検査の強みを実感した症例でした。

そして、非腫瘤性病変ってこうやって見えるんだ…!と

自分の経験の引き出しが増えて、非腫瘤性病変の奥深さにはまった症例でもあります。

幸いにも、ご教示いただける医師が超音波検査指導医でいらっしゃるので

理論的に『だからエコーではこう見えるんですよー』とご教示いただけるため

益々モチベーションは上がります。

昔、超音波検査士試験対策セミナー講師の先生が

『教えてもらえる医師か先輩技師はつくっておいた方が良い』と仰っていましたが、

まさにその通りだと思います。

そして自分も知識を伝えられるような存在になればいいなぁとも考えています。

少し前に日本超音波医学会から

乳房非腫瘤性病変ガイドライン 】がUPされていましたね。

非腫瘤性病変の分類として【点状高エコーを主体とする病変】も含まれていて、

(エコーのみでは石灰化ありと断言してはいけないのですが)

こういうのもエコーで見つけることが出来るんだ!と

感動してしまいました。

沢山経験を積んで

エコーの可能性を広げていけたら

少しでもそのお手伝いが出来ればと思っています

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本記事は、超音波検査士認定試験の学習・教育を目的として執筆しています。
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おのこ

サイト運営者:おのこ

本サイトにお越しいただき、ありがとうございます。
私は関東在住の臨床検査技師です。
超音波検査で全身スキャン出来るようになりたい!という気持ちから
・超音波検査士(消化器・表在・循環器・泌尿器・けんしん)
・血管診療技師
・JHRS認定心電図専門士
・乳がん検診精度管理中央機構認定技師
を取得しました。
このブログでは、超音波検査の症例や参加した学会・勉強会の感想、超音波検査士認定試験について書いています。
これから超音波検査の業務に携わる方、超音波検査士を受験される方のお役に立てれば幸いです。

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