私は超音波検査の業務をメインに行っている臨床検査技師です。
年齢的に、まあまあ経験も積んだので
若い技師さんへ助言的なこともさせてもらっています。
ある日20代の技師さんから、
「妊娠期乳腺のエコー所見がわからない」という質問がありました。
乳房超音波診断ガイドラインでは
『乳腺が肥厚するとともに比較的均質な低エコー像を呈する』と記載されていますが…うーん…
実際のエコー画像です。


※2枚目は乳頭下の画像です
正常乳腺とは違うことはわかるけど、語彙力のなさから言語化できない…
他の書籍で妊娠期乳腺について調べてみました。
『超音波画像では,皮下脂肪組織が減り,乳腺が厚みを増し,その内部の低エコー(豹紋パターン)がはっきりしてくる』
『クーパー靭帯を押し広げるようにして乳腺が増生している様子が観察される』
出典元:超実践!乳房超音波マニュアル(医歯薬出版株式会社)
成る程 確かに…!
正常乳腺と比べてみると、

内部の低エコー像が明瞭ですね。
押し広げられたクーパー靭帯は今回確認できなかったのが残念です。
前回の画像がないと、乳腺が肥厚しているか判断は難しいので
『低エコーの明瞭化』『押し広げられたクーパー靭帯』
この2つは判断できる良い情報かもと、
質問してくれた技師さんに伝えました。
納得してもらえたようで良かったです。
他の方の疑問を聞ける環境っていいですね~
いい勉強になります。
私自身超音波検査が大好きで、
超音波検査で全身を検査できるような技師になりたいなと思っています。
大好きだからといって、スキルが物凄くあるわけではないのですが
超音波検査に関する情報を調べたり、参考書を読んだり
エコー業務に関することは全く苦になりません。
最近、臨床検査技師さんの採用面接に関わることが多くなり
色々お話する機会も増えたのですが、
皆さん「超音波検査をやりたい、でも未経験者は雇ってもらえないしプローブを触ることも出来ない」を仰っていて
超音波検査って携わるのにハードルが高いんだなと驚きました。
確かに、いちからレクチャーするのは中々大変ですし
エコー件数や研修の体制が整っていないと難しい…
そして、携わりたいという技師の中には
『超音波検査士は花形だから』とか
『エコーのバイトは単価が高いから』とかいう理由も聞きます。
(正直 衝撃を受けました 笑)
そんな理由で自分が苦労して取得した技術を伝えるのか…なんて
レクチャーする側はもやもやするかもしれませんね。
まぁでも最初の理由はそうだとしても、
超音波検査の奥深さや魅力をを段々知ってもらえたら良いのかななんて思っています。
【免責事項】
本記事は、超音波検査士認定試験の学習・教育を目的として執筆しています。
医療上の診断・治療を代替するものではなく、記載内容の正確性や完全性を保証するものではありません。
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